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◇弦の音色、癒やしと力に
石巻市万石町にある万石町集会所に、しみじみとしてどこか懐かしげな音色が響く。大正琴だ。琴城流で学ぶ愛好者が、練習ながらも息の合った演奏を披露する。
琴城流指導教授の鈴木一夫さん(70)の教えを受け、演奏するのは渡波地区に住む6人の女性。歌謡曲や民謡、フォークソング、ジャズとジャンルは幅広い。全員が70代以上だが、表情は生き生きと輝き、パワフルでもある。
代表の阿部照子さん(77)は「手先を器用に動かして弦を弾き、1曲ずつ覚えていく。手と頭を使えば脳も活性する。健康的で長寿につながります」と笑う。
もともと渡波地区には、公民館の講座受講生と、漁協婦人部員がそれぞれ1990年ごろに組織した大正琴の2団体があり、会員は両団体で計40人近くもいた。
東日本大震災で犠牲になったり、市外に転居したり、さらに冬場に多忙を極めるカキむき作業もあって、会員は共に激減。昨年4月に両団体が一緒になり、活動を開始した。全員で6人と少ないが、元気いっぱいだ。
末永陽子さん(74)は震災後2年7カ月の間、仙台市内に避難した後、地元に戻り大正琴を再開した。「大変な思いをしたが、大正琴に心が癒やされ、ほっとした」と思い返す。
最高齢者の阿部純子さん(86)も「好きな演奏ができて、仲間がいる。心の支えになる」と話す。生きる張りにもなっている。
万石町集会所が活動の拠点。練習は毎月第2、4月曜日の午後1時半から約2時間。連絡は阿部代表0225(97)4819。
【2018年1月16日(火)石巻かほく掲載】
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